コモンズ・フォーラム#2
「ジェンダーとパフォーマンスの現在地」

Commons Forum #2

  • フォーラム
©︎ Aya Momose

世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数」が、2023年現在146カ国中125位という日本。その危機感が可視化される中、ここ数年の間に、各所でフェミニズム的なアプローチの作品や活動が増加し、家父長制的な価値観や構造的な性差別に対する問題提起がなされてきた。
本フォーラムでは、男性中心的に作られてきたジェンダー観を意図的に脱臼し、そこに隠された権力や偏見、欲望を揺さぶるようなラディカルな表現を続けるアーティストたちの作品や活動にフォーカスする。また社会学者の清水知子氏を迎え、クィア理論やジェンダー論と社会的なパフォーマンスの相関関係について、最新の研究動向も踏まえた議論をしていく。

登壇者|市原佐都子(劇作家、演出家)、百瀬文(アーティスト)、清水知子(文化理論、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授)
司会|相馬千秋(シアターコモンズ実行委員長兼ディレクター)

プロフィール

市原佐都子(いちはら・さとこ)
劇作家・演出家・小説家・城崎国際アートセンター芸術監督。1988年大阪府生まれ福岡県育ち。桜美林大学にて演劇を学び、2011年よりQ始動。人間の行動や身体にまつわる生理、その違和感を独自の言語センスと身体感覚で捉えた劇作、演出を行う。2011年、戯曲『虫』にて第11回AAF戯曲賞受賞。2017年『毛美子不毛話』が第61回岸田國士戯曲賞最終候補となる。2019年に初の小説集『マミトの天使』を出版。同年『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』をあいちトリエンナーレにて初演。同作にて第64回岸田國士戯曲賞受賞。2021年、ノイマルクト劇場(チューリヒ)と共同制作した『Madama Butterfly』をチューリヒ・シアター・スペクタクル、ミュンヘン・シュピラート演劇祭、ウィーン芸術週間他にて上演。2023年、『弱法師』を世界演劇祭(ドイツ)にて初演。

© Bea Borgers

百瀬文(ももせ・あや)
1988年東京都生まれ。パフォーマンスを記録するための方法としてビデオを扱い始め、映像によって映像の構造を再考させる自己言及的な方法論を用いながら、他者とのコミュニケーションの複層性を扱う。近年は映像に映る身体の問題を取り上げながら、セクシュアリティやジェンダーへの問いを深めている。主な個展に「百瀬文 口を寄せる」(十和田市現代美術館、2022)、主なグループ展に「国際芸術祭あいち2022」(愛知芸術文化センター、2022)、「フェミニズムズ/FEMINISMS」(金沢21世紀美術館、2021)、主なパフォーマンス作品に『鍼を打つ』(シアターコモンズ’21)、『クローラー』(国際芸術祭あいち2022)など。2016年度アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を受けニューヨークに滞在。第34回(2023年度)タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞受賞。

Photo: 金川晋吾

清水知子(しみず・ともこ)
愛知県生まれ。現在、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授。専門は文化理論、メディア文化論。著書に『文化と暴力―揺曳するユニオンジャック』(月曜社)、『ディズニーと動物―王国の魔法をとく』(筑摩選書)、共訳書にジュディス・バトラー『アセンブリ——行為遂行性・複数性・政治』(青土社)、『非暴力の力』(青土社)、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート『叛逆』(NHK出版)、デイヴィッド・ライアン『9・11以後の監視』(明石書店)他。

相馬千秋(そうま・ちあき)
シアターコモンズ実行委員長兼ディレクター(2017–現在)。NPO法人芸術公社代表理事。アートプロデューサー。演劇、現代美術、社会関与型アート、VR/ARテクノロジーを用いたメディアアートなど、領域横断的な同時代芸術のキュレーション、プロデュースを専門としている。フェスティバル/トーキョー初代プログラム・ディレクター(2009–2013)、あいちトリエンナーレ2019および国際芸術祭あいち2022パフォーミングアーツ部門キュレーター。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章、2021年芸術選奨(芸術振興部門・新人賞)受賞。2021年より東京藝術大学大学院美術研究科准教授。2023年ドイツで開催された世界演劇祭テアター・デア・ヴェルト2023のプログラム・ディレクターを務めた。

© NÓI CREW

日時

3月9日(土)15:00–17:00
*開場は開演時間の15分前

上演時間

120分

会場

スパイラルホール ホワイエ
〒107-0062 港区南青山5-6-23 スパイラル3F

チケット

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上演言語

日本語

クレジット

主催|シアターコモンズ実行委員会
会場協力|株式会社ワコールアートセンター