開催概要

都市にあらたな「コモンズ(共有地)」を生み出すプロジェクト、シアターコモンズ。
第9回目となる今回は、「ブレス・イン・ザ・ダーク/暗闇で呼吸する」をテーマに、演劇や各種パフォーマンス、観客参加型のプログラムなど、都内各所にて開催!

シアターコモンズは、演劇の「共有知」を活用し、社会の「共有地」を生み出すプロジェクトです。日常生活や都市空間の中で「演劇をつかう」、すなわち演劇的な発想を活用することで、「来たるべき劇場/演劇」の形を提示することを目指しています。演劇的想像力によって、異質なものや複数の時間が交わり、日常を異化するような対話や発見をもたらす経験をアーティストとともに仕掛けていきます。

シアターコモンズは、港区内に拠点をもつ国際文化機関、ゲーテ・インスティトゥート東京、アンスティチュ・フランセ日本、オランダ王国大使館とNPO法人芸術公社が実行委員会を形成し展開します。

ディレクターズ・ノート

ブレス・イン・ザ・ダーク/暗闇で呼吸する
相馬千秋

「大地が震えている。地球のエネルギーによって。あるいは投下された爆弾の破壊エネルギーによって。今この瞬間も、震える大地で、誰かが震えている。寒さに震え、飢えに震えている。怒りに震え、悲しみに震えている。言葉にできないすべての感情に震えている。命が震えている。(…)世界は今、あちこちで裂け、炎症し、激烈な痛みに震えている。」

1年前に書いた文章から、世界は何か変わっただろうか。何も変わっていないどころか、むしろ構造的暴力はますます拡大し、停戦はおろか、殺戮や人道危機は極限まで達している。また天変地異や気候変動がもたらす明らかな異常事態も、そういうものだと慣れてしまった感がある。明らかにおかしい、と頭では理解していても、それが異常な現実を何も書き換えていかない無力感にも慣らされてしまっている。アートの世界でも、問題の本質と正面から向き合うことを避ける傾向が空気のように漂ってはいないだろうか。コロナ禍でのトラウマを忘却した先に、世界中で起き続けている炎症に見て見ぬふりをしながら、私たちはどこに向かおうとしているのか。

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基本情報

  • シアターコモンズ ’25
  • 会期|2025年年2月21日(金)– 3月2日(日)
  • 会場|東京都内複数会場
  • 主催|シアターコモンズ実行委員会
  • ゲーテ・インスティトゥート東京
  • 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
  • オランダ王国大使館
  • 特定非営利活動法人 芸術公社
  • 助成|公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】、笹川日仏財団
  • 会場協力|株式会社ワコールアートセンター、港区

クレジット

  • シアターコモンズ実行委員会
  • 委員長|相馬千秋(特定非営利活動法人芸術公社 代表理事)
  • 副委員長|大舘奈津子(特定非営利活動法人芸術公社 理事)
  • 委員|サンソン・シルヴァン(在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ 文化担当官)
  • 委員|バス・ヴァルクス(オランダ王国大使館 広報・政治・文化部 副部長)
  • 監事|須田洋平(弁護士)
  • シアターコモンズ実行委員会事務局
  • ディレクター|相馬千秋(芸術公社)
  • 制作・事務局統括|清水聡美(芸術公社)
  • 制作|山里真紀子、芝田遥、阿部幸、谷口裕子、藤崎春花、吉岡直哉(いずれも芸術公社)
  • 編集|柴原聡子、橋場麻衣、鈴木理映子(芸術公社)
  • 広報 | 岩本室佳(芸術公社)
  • 翻訳|水野 響、リリアン・キャンライト、内山もにか(Art Translators Collective)
  • アート・ディレクション&デザイン|加藤賢策(LABORATORIES)
  • ウェブデザイン|加藤賢策、伊藤博紀(LABORATORIES)
  • インターン|欧静薇、岡田結実、小栗舞花、小沢日菜、柏原瑚子、関口真生、橋本佑月、宮原朱琳
  • アクセシビリティ アドヴァイザー|田中みゆき
  • 経理税務アドヴァイザー|山内真理 税務士事務所
  • 法務アドヴァイザー|須田洋平(弁護士/芸術公社)
  • シアターコモンズ'25 技術スタッフ
  • 舞台監督|ラング・クレイグヒル
  • 照明|山下恵美、帆足ありあ(RYU)
  • 音響|稲荷森 健
  • 映像|佐藤佑樹(エディスグローヴ)
  • 記録映像・写真|山口雄太郎