コモンズ・フォーラム#1
「『孵化主義』を実践する——『孵化/潜伏』の時間、からだ、物語」

Commons Forum #1

“Practicing ‘Incubationism’: Time, Body, and Narrative of ‘Eclosion/Latency’”

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孵化=インキュベーションという言葉には、「孵化」と「潜伏」、すなわち新しい生命の誕生と、ウイルスなどが症状として現れるまでの不安な時間が二重に含まれている。パンデミックでは、多くの人類がいつ終わるとも分からない隔離や待機の時間で、「孵化/潜伏の時間」を経験した。進歩的な価値観では、非生産的なものだと否定されがちな病や停滞の経験、宙吊りの時間を、ポストパンデミック時代の創作者たちはどのように捉え、創作を再起動しているのだろうか。
本フォーラムでは、「孵化主義」のコンセプトに共振し、世界演劇祭での新作を準備しているアーティストたちの声を聞くことで、「孵化主義」から派生する、多様で創造的な世界のありようを共に議論する。

第一部 コンセプトと問題提起
相馬千秋(シアターコモンズ ディレクター)

第二部 ディスカッション 
登壇者|スザン・ボーハールト&ビアンカ・ファン・デル・スホート(アーティスト)、スザンネ・ケネディ(演出家)、市原佐都子(劇作家、演出家、小説家、城崎国際アートセンター芸術監督)
司会|相馬千秋

プロフィール

ボーハールト/ファン・デル・スホート
スザン・ボーハールトとビアンカ・ファン・デル・スホートによるアーティスト・ユニットとして、1999年より活動開始。オランダのパントマイムの伝統を受け継ぎつつ、人間、自然、テクノロジーの関係を軸に作品を創作。複数の芸術分野を交差させながら、フィジカルな集まりや身体性を重視した作品群で美術館や劇場空間にラディカルな問いを投げかけ、場のルールや慣習を拡張している。彼女らの創作は、今日のメディア主導の世界で人々が直面する闘争と課題への問いかけであり、社会変革の実践でもある。ヴェネチア・ビエンナーレ2017演劇部門やルール・トリエンナーレ2015といった国際的シーンでの作品発表を行う他、美術館やオルタナティブスペースでも精力的に活動。より住みやすい未来へ向けて、人間とは何かという固定観念を問い直し、未来のための空間をつくることを試みている。2022年、シアターコモンズからの委嘱を受けて、インキュベーションをテーマとしたオンライン・レクチャーパフォーマンスを創作・発表した。

Photo: Annaleen Louwes

スザンネ・ケネディ
1977年ドイツ生まれ。アムステルダム芸術大学(AHK)を卒業し、エルフリーデ・イェリネク等の作品をオランダ各地の劇場で演出。2011年からミュンヘン・カンマーシュピーレで演出活動を開始。2013年『インゴルシュタットの煉獄』で「テアター・ホイテ」の年間最優秀若手演出家に選出される。近年ではベルリン・フォルクスビューネとミュンヘン・カンマーシュピーレを拠点とし、近作には、マルクス・ゼルクとの共作『ULTRAWORLD』、『ORACLE(神託)』(共に2020)など。仮面をつけた俳優たち、録音されたセリフが自動再生される特異な舞台は、ポストヒューマン時代の新たな演劇として注目を集めている。2021年には、シアターコモンズからの委嘱を受けて、VR技術を応用し、仮想空間だけで体験する演劇作品『I AM (VR)』を創作、世界初上演した。

©Franziska Sinn

市原佐都子(いちはら・さとこ)
劇作家・演出家・小説家・城崎国際アートセンター芸術監督。1988年大阪府生まれ福岡県育ち。桜美林大学にて演劇を学び、2011年よりQ始動。人間の行動や身体にまつわる生理、その違和感を独自の言語センスと身体感覚で捉えた劇作、演出を行う。2011年、戯曲『虫』にて第11回AAF戯曲賞受賞。2017年『毛美子不毛話』が第61回岸田國士戯曲賞最終候補となる。2019年に初の小説集『マミトの天使』を出版。同年『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』をあいちトリエンナーレにて初演。同作にて第64回岸田國士戯曲賞受賞。2021年、ノイマルクト劇場(チューリヒ)と共同制作した『Madama Butterfly』をチューリヒ・シアター・スペクタクル、ミュンヘン・シュピラート演劇祭、ウィーン芸術週間他にて上演。

©Bea Borders

相馬千秋(そうま・ちあき)
シアターコモンズ実行委員長兼ディレクター(2017–現在)。NPO法人芸術公社代表理事。アートプロデューサー。演劇、現代美術、社会関与型アート、VR/ARテクノロジーを用いたメディアアートなど、領域横断的な同時代芸術のキュレーション、プロデュースを専門としている。フェスティバル/トーキョー初代プログラム・ディレクター(2009–2013)、あいちトリエンナーレ2019および国際芸術祭あいち2022パフォーミングアーツ部門キュレーター。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章、2021年芸術選奨(芸術振興部門・新人賞)受賞。2021年より東京藝術大学大学院美術研究科准教授。2023年にドイツで開催される世界演劇祭テアター・デア・ヴェルト2023のプログラム・ディレクターに就任。

©NÓI CREW

日時

2月23日(木・祝)19:30–21:30

上演時間

120分

会場

オンライン

参加方法

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上演言語

日本語(英語通訳つき)