【参加者募集】
シアターコモンズ’23プログラム
中村佑子『まなざしはまなざされない』 シネエッセイ ワークショップ参加者募集のお知らせ
シアターコモンズ’23では、映画監督・作家の中村佑子さんによるシネエッセイワークショップを開催します。シネエッセイとは映像で綴るエッセイや日記のことで、このワークショップでは、シネエッセイの手法を用いて言葉と映像を紡ぎ、映像作品を制作していただきます。
中村佑子さんは繊細な揺らぎを触覚的に掴み取る独自の映像世界で、高い評価を得てきた一方、単著『マザリング 現代の母なる場所』で「母なる場所」をめぐる壮大な哲学的エッセイを編み上げ、新たな女性文学の最前線を切り拓きました。過去の女性たちが綴った文学・哲学テキストの引用を縦糸に、自身の少女時代や母親との記憶を横糸に、壮大な哲学的エッセイを編み上げる手法は、シネエッセイという思索の跡を辿る手法とも重なります。
ワークショップへの参加にあたり、映像制作の経験は問いません。使用する機材もスマートフォンなどの身近なデバイスを使用します。全3回のワークショップは、シネエッセイ制作方法のレクチャーから始まり、制作した映像の中間発表・講評を経て、映像を完成させていただきます。シネエッセイの手法を用いて、自分でも気づいていない日常の記憶を行き来し、自身の内なる感覚を表現する映像を制作します。
– 中村佑子さんよりコメント –
立教大学の学生たちにシネエッセイを創作してもらうなかで、私は何度も息を呑んだ。疫病に戦争……混沌としたまま突き進む今の世界を、彼らは日常的なまなざしから射抜き、この社会を作った私たち大人をまなざし返しているとも感じた。
「まなざしはまなざされない」とは、映像人類学者トリン・T・ミンハの言葉だ。西洋社会がアフリカの女性たちに向けた差別的な視線を、批判的に捉え直している。ミンハ自身は、視線の権力構造に絡めとられることなく、アフリカの女性たちを親密に、慎み深く、シネエッセイとして残した。
シネエッセイとは、誰でも手軽に作ることができる、例えるなら活字におけるZINEのようなもので、生活のなかから生まれる、ゲリラ的で民主的な手法でもある。
誰もが手にできる、この軽やかな創作手法によって、複雑な世界をあらためて眺め渡してほしい。言葉と映像によって、自分の思索の跡を再起的に辿ることによって、自らも把握できない無意識的な感覚が呼び覚まされるはずだ。ぜひご参加を!
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ワークショップ概要
【講師】
中村佑子(映画監督、作家)
【日時】
2月9日(木) 13:00-16:00 第1回:シネエッセイ制作方法のレクチャー *1
2月16日(木)13:00-16:00 第2回:制作の中間報告 *2
2月24日(金)13:00-16:00 第3回:作品の講評
*2月28日(火)までに映像を完成させていただきます。
*1:レクチャーの様子は、コモンズパス購入者を対象にオンラインで配信予定です。
*2:第2回ワークショップのみオンラインで実施予定です。
【会場】
SHIBAURA HOUSE 3F(〒108-0023 東京都港区芝浦3-15-4)
電車でのアクセス
JR 田町駅芝浦口より徒歩7分
地下鉄 都営三田線・浅草線 三田駅A4出口より徒歩10分
【募集要項】
-対象:15〜30歳程度の方
-定員:10名程度(応募者多数の場合は選考)
-参加費:無料
-募集期間:2022年12月23日(金)-2023年1月18日(水)23:59まで
(結果は2023年1月25日(水)までにメールにて通知)
-持ち物:スマートフォンやカメラなど映像が撮影できるもの
(映像編集はスマートフォンの無料アプリで可能です。第1回ワークショップでご案内します。)
*原則、全日程参加できる方が対象です。
*制作した作品は、3月2日(木)-5日(日)の間、シアターコモンズ’23にて展示させていただく可能性があります。
【お申し込み方法】
応募用Googleフォームよりお申し込みください。
お申し込みはこちら
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【講師プロフィール】
中村佑子(なかむら・ゆうこ)
1977年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒。哲学書房にて編集者を経て、テレビマンユニオン参加。美術や建築、哲学を題材としながら、現実世界のもう一枚深い皮層に潜るようなナラティブのドキュメンタリーを多く手がける。映画作品に『はじまりの記憶 杉本博司』、『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』(HOTDOCS正式招待作品)、テレビ演出作にWOWOW「はじまりの記憶 現代美術作家 杉本博司」(国際エミー賞・アート部門ファイナルノミニー)、NHK「幻の東京計画 首都にありえた3つの夢」(ギャラクシー奨励賞受賞)、NHK「建築は知っている ランドマークから見た戦後70年」などがある。シアターコモンズでは、2019年にスーザン・ソンタグの『アリス・イン・ベッド』のリーディングを演出、2021年にはAR体験型映画『サスペンデッド』を発表した。文芸誌『すばる』での長期連載を経て、2020年に初の単著『マザリング 現代の母なる場所』を出版。立教大学映像身体学科兼任講師。
【お問合せ】
E-mail|artscommons.tokyo.inquiry@gmail.com
主催:シアターコモンズ実行委員会
https://theatercommons.tokyo