シアターコモンズ’24 開催にあたって
2024.1.25

いつもシアターコモンズに関心を寄せていただき、またさまざまな形でご支援・ご協力をいただき、誠にありがとうございます。

シアターコモンズは、2017年の創設以来、8ヵ年にわたり、ゲーテ・インスティトゥート東京、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、台湾文化センター、オランダ王国大使館、NPO法人芸術公社の5団体が実行委員会を形成し、NPO法人芸術公社が事務局として企画運営を主体的に行なっております。

私たちシアターコモンズ実行委員会は国内外の同時代芸術の創造を通じて新しい価値を提示するフェスティバルとして、いかなる人間の尊厳と生命を傷つける暴力も許容しません。また、世界人権宣言に謳われている基本的人権と表現の自由を希求しつつ、異なる文化的背景や歴史の中で生じる制限についても、そこに生きる当事者たちの考えを尊重しながら、対話の場を開き続けてきました。私たちはその8年間で蓄積してきた、国内外のアーティストや観客、文化機関等との信頼関係を基盤とし、今後も一貫してその扉を開き続ける所存です。

現在、イスラエル・パレスチナ情勢に関連し、ドイツ国家が関与する文化機関へのボイコット運動が国際的に展開されていることは承知しております。私たちは、こうした声を非常に重く受け止めるとともに、1日も早い停戦と、この紛争によって苦しむすべての人々の救済と尊厳の回復を強く切望しています。今回のシアターコモンズの会場のひとつ、ゲーテ・インスティトゥート東京では、イラン出身のアーティスト、ナスタラン・ラザヴィ・コラーサーニのパフォーマンス上演と、コモンズ・フォーラム#1「複数の世界、歴史、物語―多声的芸術はいかに可能か?」が開催されます。私たちは、国家の政策と、個々のアーティストや文化機関の思想・方針を単純に同一視することなく、複雑なものを複雑なまま伝えることができる芸術の力を信じ、芸術を通じた対話と思考の場を開き続けます。

シアターコモンズ’24はこのような基本的な考えと方針のもと、本ウェブサイトで発表しております体制およびプログラムで開催いたします。お客さまにおかれましては、シアターコモンズの趣旨をご理解いただき、ぜひご参加いただけますと幸いです。

シアターコモンズ実行委員会
実行委員長 相馬千秋