コモンズ・フォーラム#3
「『世界』を複数化する——東洋思想における『世界』」

Commons Forum #3

“Pluralizing the World: The World in Eastern Thought”

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©︎Ho Tzu Nyen

私たちが日常的に使う「世界」という言葉は、そもそも何を意味しているのだろうか。西洋文化圏における「World」と、東洋の漢字文化圏における「世界」は、同じものを指しているようで、根本的には異なっているかもしれない。近代化・西洋化の過程の中で共有されてきた単数形の「World」に対して、あえて複数形の「Worlds」を用いることで、私たちは世界をどのように捉え直すことができるのだろうか。
本フォーラムでは、世界演劇祭に先がけて、自明のようでそうでない「世界」という概念について、東洋・西洋の哲学に精通する専門家にレクチャーをしていただく。そしてアジアのアーティストたちの作品を具体例に、彼らの創作を下支えする東洋思想の「世界観」について、多面的な議論を始動したい。

第一部 基調レクチャー
中島隆博(東京大学教授)

第二部 ディスカッション
登壇者|ホー・ツーニェン(アーティスト)、サオダット・イズマイロボ(アーティスト)、中島隆博  
司会|岩城京子(演劇パフォーマンス学研究者、アントワープ大学専任講師)、相馬千秋(シアターコモンズ ディレクター)

プロフィール

中島隆博(なかじま・たかひろ)
東京大学東洋文化研究所 教授。東アジア藝文書院院長。中国哲学・世界哲学研究者。東京大学大学院総合文化研究科准教授等を経て現職。
東アジア哲学を間-東アジアさらには西洋哲学との比較において考える。世界哲学という新たなプラットフォーム作りを進め、その上で、中国哲学や日本哲学を論じ直している。また、東アジア藝文書院を立ち上げ、北京大学と東京大学が共同で研究教育にあたるという試みもおこなっている。
著書に『ヒューマニティーズ 哲学』(岩波書店、2009年)、『共生のプラクシス 国家と宗教』(東京大学出版会、2011年)、『悪の哲学 中国哲学の想像力』(筑摩選書、2012年)、『思想としての言語』(岩波現代全書、2017年)、『中国哲学史 諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで』(中公新書、2022年)など。

ホー・ツーニェン
歴史的、理論的なテキストを出発点としたビデオ、インスタレーション、パフォーマンス作品を制作。音楽と寓意的な照明によって彩られた膨大な数の歴史的参照が、作品の支柱となっている。それぞれの作品は独自の特徴を持ち、東南アジアの歴史の語られざる層を解き明かしながら、私たち自身の知られざる面をもまた示している。近年では、ハマー美術館(2022年)、豊田市美術館(2021年)、山口情報芸術センター(YCAM)(2021年)で作品を展示。台湾のアーティスト許家維(シュウ・ジャウェイ)とともに、国立台湾美術館で開催された第7回アジア・アート・ビエンナーレ「山と海を越えた異人」をキュレーションした。 2015年から2016年までDAADレジデントとしてベルリンに滞在。

©Matthew Teo

サオダット・イズマイロボ
ウズベキスタンの映画監督・アーティスト。タシュケント州立芸術大学(ウズベキスタン)、ル・フレノア国立現代アートスタジオ(フランス)卒業。映画やビデオインスタレーション作品を、ヴェネチア・ビエンナーレ、ベルリン国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭、コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭等に出品。アムステルダム市立美術館、ポンピドゥー・センター(パリ)、アルマトイ美術館(カザフスタン)のほか、プライベートコレクションに作品が所蔵されている。2022年、ヴェネチア・ビエンナーレ公式プログラム“Milk of Dream”に出展するとともに、中央アジア出身のコレクティブDavraを立ち上げ、ドクメンタ15に参加した。2022年、アムステルダムのアイ・アート&フィルム賞を受賞。

©Rinat Karimov

岩城京子(いわき・きょうこ)
演劇・パフォーマンス研究。アントワープ大学文学部芸術学科専任講師。演劇ジャーナリストとして活動したのち、2017年にロンドン大学ゴールドスミス校にて博士号(演劇学)を修め、同校にて教鞭を執る。専門は日欧現代演劇史、及び演劇応用理論。2017年に博士号取得後、アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を得て、ニューヨーク市立大学大学院シーガルセンター客員研究員。単著に『日本演劇現在形』(フィルムアート社)等。共著に『A History of Japanese Theatre』(ケンブリッジ大学出版)、『The Routledge Companion to Butoh Performance』(Routledge出版)、『Okada Toshiki and Japanese Theatre』(パフォーマンスリサーチ出版)など。2021年よりPerformance Research誌共同編集委員。

相馬千秋(そうま・ちあき)
シアターコモンズ実行委員長兼ディレクター(2017–現在)。NPO法人芸術公社代表理事。アートプロデューサー。演劇、現代美術、社会関与型アート、VR/ARテクノロジーを用いたメディアアートなど、領域横断的な同時代芸術のキュレーション、プロデュースを専門としている。フェスティバル/トーキョー初代プログラム・ディレクター(2009–2013)、あいちトリエンナーレ2019および国際芸術祭あいち2022パフォーミングアーツ部門キュレーター。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章、2021年芸術選奨(芸術振興部門・新人賞)受賞。2021年より東京藝術大学大学院美術研究科准教授。2023年にドイツで開催される世界演劇祭テアター・デア・ヴェルト2023のプログラム・ディレクターに就任。

©NÓI CREW

日時

3月4日(土)19:30–21:30

上演時間

120分

会場

オンライン

参加方法

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上演言語

日本語(英語通訳つき)