コモンズ・フォーラム#2
「メタバース時代におけるバーチャル・ドラマトゥルギーのゆくえ」

Commons Forum #2

“The Future of Virtual Dramaturgy in the Age of the Metaverse”

  • フォーラム
  • リモート参加
小泉明郎「解放されたプロメテウス」©️Meiro Koizumi

AR(拡張現実)、VR(仮想現実)といったデジタル技術が、アートの表現領域を拡張して久しい。これらの技術革新によって、日々無数のメタバース(仮想世界)が生成・更新され、あらゆる分野における共集や発信のあり方にも大きな変化が生じている。もはやデジタル/アナログ、リアル/バーチャルといった二分法が無効な時代に、その両者を自由に行き来しながら、人間の知覚や認識、身体の可能性と限界に批評的に向き合うことは可能なのだろうか。また、神話世界や動植物の視点など、古くから人間が想像力を駆使して叙述してきた異次元の物語は、VR/AR技術の介入によって、新たな知覚とともにいかに追体験されうるのだろうか?
本フォーラムでは、今回のシアターコモンズや世界演劇祭で創作される作品を具体例に、メタバース時代の芸術表現の可能性と限界、その倫理について議論する。

登壇者|小泉明郎(アーティスト)、サエボーグ(アーティスト)、シュウ・ツェユー(アーティスト) 
司会|相馬千秋(シアターコモンズ ディレクター)

プロフィール

小泉明郎(こいずみ・めいろう)
1976年群馬県生まれ。国家・共同体と個人の関係、人間の身体と感情の関係について、現実と虚構を織り交ぜた実験的映像やパフォーマンスで探求している。これまでテート・モダンのBMWテート・ライブや上海ビエンナーレ、シャルジャビエンナーレ等、多数の国際展等に参加。個展としては「Projects 99: Meiro Koizumi」(ニューヨーク近代美術館、2013)、「捕われた声は静寂の夢を見る」(アーツ前橋、2015)「帝国は今日も歌う」(Vacant、2017)、「Battlelands」(ペレス美術館、マイアミ、アメリカ合衆国、2018)等を開催。あいちトリエンナーレ2019で初演されたVR演劇「縛られたプロメテウス」は、第24回文化庁メディア芸術祭アート部門で大賞を受賞。2021年には国際的なアートプライズである、Artes Mundi Prize(カーディフ、英国)を受賞。国内外の数多くの美術館等に作品が収蔵されている。

Photo: Matadero Madrid/Photo: Bego Solís

サエボーグ
1981年富⼭⽣まれ。東京を拠点に活動。サエボーグは不完全なサイボーグ。半分人間で、半分玩具。⾃らの⽪膚の延⻑としてラテックス製のボディスーツを⾃作し、装着するパフォーマンスを展開。性別などの固定化されたアイデンティティや、⼈間の⾝体そのものを超越したいという強い願望を原動⼒に、雌豚や害⾍を玩具的にデフォルメしたボディスーツに⾝を包み、⽣態系の最底辺の⽣き物たちが織り成す遊戯的なユートピア実験牧場を作り出す。近年の主な発表に、『Cycle of L』(高知県立美術館、2020)、『House of L』(あいちトリエンナーレ、2019)がある。海外では「Dark Mofo」(Mona Museum、2019)、第6回アテネ・ビエンナーレ(2018)などへ出展。これまでの全作品は、東京のフェティッシュパーティー「Department-H」で初演された後、国内外の国際展や美術館で発表されている。

Photo: ZIGEN

シュウ・ツェユー(許哲瑜)
1985年、台北生まれ。メディアと記憶の関係性にフォーカスしたアニメーションや映像作品を制作。個人および共同体の記憶を視覚化・構造化する。2022年より、オランダ国立芸術アカデミー(ライクス・アカデミー) のレジデンシーに参加。ベルギー高等美術学校(2019年-2020年)及びフランスのル・フレノワ(2020年-2022年)にレジデント・アーティストとして在籍。国立台南芸術大学造形芸術研究所修士課程修了。2019年、ヒューゴ・ボス・アジア・アート賞ファイナリスト。サンパウロ・ビエンナーレ(2021年)、ソウル・メディアシティ・ビエンナーレ(2021年)、ビデオナーレ18(2021年)、上海ビエンナーレ(2018年)、ロンドン・デザイン・ビエンナーレ(2018年)、等多くの国際展の他、ニューヨーク映画祭(2020年)、ロッテルダム国際映画祭(2018年、2020年、2023年)等の映画祭へ出品している。

相馬千秋(そうま・ちあき)
シアターコモンズ実行委員長兼ディレクター(2017–現在)。NPO法人芸術公社代表理事。アートプロデューサー。演劇、現代美術、社会関与型アート、VR/ARテクノロジーを用いたメディアアートなど、領域横断的な同時代芸術のキュレーション、プロデュースを専門としている。フェスティバル/トーキョー初代プログラム・ディレクター(2009–2013)、あいちトリエンナーレ2019および国際芸術祭あいち2022パフォーミングアーツ部門キュレーター。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章、2021年芸術選奨(芸術振興部門・新人賞)受賞。2021年より東京藝術大学大学院美術研究科准教授。2023年にドイツで開催される世界演劇祭テアター・デア・ヴェルト2023のプログラム・ディレクターに就任。

©NÓI CREW

日時

2月26日(日)19:30–21:30

上演時間

120分

会場

オンライン

参加方法

パス購入後に送付される専用ページ掲載のURLよりアクセスしてください

パス購入はこちら

上演言語

日本語(英語通訳つき)