Commons Forum #2
“Healing and Rebirth: The Future of Our ‘Commons,’ As Conceived Between Two Crises”
- フォーラム
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震災から10年、パンデミックから1年。放射能とウィルスという不可視かつ制御不能な驚異は、人間中心的な価値観や技術信仰に大きな疑問符を投げかける。一方人類は、天変地異や疫病流行を経験する度に、芸術や宗教の力によって、個や共同体のトラウマを治癒し、日常と秩序を回復してきたはずだ。
2つの災厄の間の宙吊りの時間から、私たちはいかに新たなエコロジーを再設定し、人間以外のものも含めた調和を目指すことができるのか。そして、社会の中の「コモンズ(共有地)」をいかに更新していけるのだろうか。治癒と再生、芸術と宗教、歴史と未来。3.11から10年の今、大きな問いを未来へと開く。
登壇者|志賀理江子(写真家)、小泉明郎(アーティスト)、高山明(アーティスト) ほか
司会|相馬千秋(シアターコモンズ ディレクター)
プロフィール
志賀理江子(しが・りえこ)
1980年、愛知県生まれ。2004年にロンドンのChelsea College of Art and Design卒業。08年より宮城県在住。11年東日本大震災で被災しながらも制作を続け、12年に「螺旋海岸」展(せんだいメディアテーク)を開催。そのほかの展覧会に、15年「In the Wake」展(ボストン美術館)、「New Photography 2015」展(ニューヨーク近代美術館)、17年「ブラインド・デート」展(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)など多数。
小泉明郎(こいずみ・めいろう)
1976年群馬県生まれ。国家・共同体と個人の関係、人間の身体と感情の関係について、現実と虚構を織り交ぜた実験的映像やパフォーマンスで探求している。これまでテート・モダンのBMWテート・ライブや、上海ビエンナーレ、シャルジャビエンナーレ等、多数の国際展等に参加。個展としては「Projects 99: Meiro Koizumi」(ニューヨーク近代美術館、2013)、「捕われた声は静寂の夢を見る」(アーツ前橋、2015)「帝国は今日も歌う」(Vacant、2017)、「Battlelands」(ペレス美術館、マイアミ、アメリカ合衆国、2018)等を開催。VR技術を使った作品では『サクリファイス』(MMCAソウル、韓国、2018)、『縛られたプロメテウス』(あいちトリエンナーレ2019)がある。シアターコモンズではワークショップを経て『私たちは未来の死者を弔う』(2018)を製作・発表した。
高山明(たかやま・あきら)
2002年に創作ユニットPort B(ポルト・ビー)を結成。国内外の諸都市において、ツアーパフォーマンス、映像インスタレーション、社会実験的プロジェクト、言論イベント、観光ツアーなど、多岐にわたる作品やプロジェクトを展開している。いずれの活動においても「演劇とは何か」という問いが根底にあり、演劇の可能性を拡張し、社会に接続する方法を追求。観客論を軸に、観客自身が創造的に現実の都市や社会のなかで不可視なものと出会い、思考する装置としての演劇を提案。2013年にはPort都市リサーチセンターを設立し、演劇的発想を観光や都市プランニング、社会実践やメディア開発などにも応用する取り組みを行っている。
相馬千秋(そうま・ちあき)
NPO法人芸術公社 代表理事/アートプロデューサー。「フェスティバル/トーキョー」初代プログラム・ディレクター (F/T09春〜F/T13)、文化庁文化審議会文化政策部会委員(2012-15)等。2015年フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章。2016年より立教大学現代心理学部映像身体学科特任准教授。2017年より「シアターコモンズ」実行委員長兼ディレクター。「あいちトリエンナーレ2019」のキュレーター(舞台芸術)も務めた。