田中功起
「可傷的な歴史(ロードムービー)」

Koki Tanaka

“Vulnerable Histories (A Road Movie)”

映像上映|アッセンブリー

Courtesy of the artist, Vitamin Creative Space (Guangzhou), Aoyama Meguro (Tokyo)
排除や差別を超えて、それでも「共に生きる」ために──。
田中功起による「傷つきやすい」ロードムービー、日本初公開。

異なる人々が「共に生きること」の可能性や限界について、仮構の共同体を組織して撮影する手法で探求するアーティスト、田中功起。私たちは他者と出来事や経験を共有することは可能なのか。田中が向き合い続けてきたこの問いは、世界中で排外主義やポピュリズムが高まる今日、より切実さを増している。

2018年にミグロ現代美術館で発表され今回日本初公開となる本作(シアターコモンズ・短縮編集バージョン)は、「共に生きる」権利を侵されてきた人たちの側から、この問いにさらに踏み込こむものだ。東京に暮らす在日コリアン3世とチューリッヒから来た日系スイス人。田中によって引き合わされた実在の「登場人物」たちは、ともに東京や川崎を旅し、在日コリアン排斥の痕跡を辿りながら、それぞれの経験、思考、感情をもとに対話を重ねていく。この淡々と美しく、残酷で傷つきやすいロードムービーの果てに、私たちは、「それでも共に生きる」ための希望を見出すことができるのか。

今回のシアターコモンズでは、映像上映の後にゲストを交えた対話の場(アッセンブリー)を設定し、集団での鑑賞経験の共有を試みたい。

プロフィール

田中功起(たなか・こおき)
1975年生まれ。出来事の組織化や集団による営み、その記録に興味を持ち、それにまつわる制作活動を行っている。2013年、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展の日本館における展示で特別表彰を受賞。近年の展覧会に「共にいることの可能性」(水戸芸術館、2016年)、「Vulnerable Histories (A Road movie)」(ミグロ現代美術館、2018年)など。2017年ミュンスター彫刻プロジェクト参加。

©️題府基之

日時

2月22日(金) 19:00
2月23日(土) 19:00
2月24日(日) 13:00

*各日ともに、映像上映の前後にゲストを交えた対話の場(アッセンブリー)を設定し、参加者とともに鑑賞経験を共有します。

ゲスト:
2月22日|青山真也(撮影監督)、温又柔(小説家)、ハン・トンヒョン(社会学者)、福尾匠(批評家)
2月23日|鄭優希(出演者)、ハン・トンヒョン(社会学者)、藤口諒太(音響)、山本唯人(東京大空襲・戦災資料センター主任研究員)
2月24日|明戸隆浩(社会学者)、中村佑子(映画監督・エッセイスト)、福尾匠(批評家)

上演時間

150分

会場

ゲーテ・インスティトゥート
東京ドイツ文化センター

〒107-0052 港区赤坂7-5−56
会場お問合せ│03-3584-3201

参加方法

要予約・コモンズパス提示
パス購入はこちら

上演言語

映像上映|英語(日本語字幕つき)
アッセンブリー|日本語

クレジット

構成・演出|田中功起

キャスト|鄭優希、クリスチャン・ホファー
プロジェクトアドバイザー・講師|ハン・トンヒョン
講師|西崎雅夫(社団法人ほうせんか)
法律アドバイザー|明戸隆浩
事前勉強会講師|山本唯人(東京大空襲・戦災資料センター)

撮影監督|青山真也
録音・整音|藤口諒太
制作|田中沙季
英語字幕|ディーン島内翻訳事務所
日本語字幕翻訳|大舘奈津子(芸術公社) 
日本語字幕監修|戸田史子(芸術公社)
法律翻訳|東久保麻紀
助成|アーツカウンシル東京(公益財団法人 東京都歴史文化財団)

製作|ミグロ現代美術館

協力|青山目黒、ビタミン・クリエイティブ・スペース、ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター