藤井光

「ピレウス/ヘテロクロニア」

映像上映|トーク

テンペスト・ソサエティ」と同時開催

Hikaru Fujii

“Piraeus/Heterochronia”

© Hikaru Fujii

ギリシャ・ピレウス港で交錯する4つの物語。
異なる時間を映し出す、藤井光の最新映画。

前回のシアターコモンズで実施したワークショップ「日本人を演じる」を撮影した映像インスタレーションが、日産アートアワード2017を受賞するなど活躍の目覚ましい藤井光。今日の世界を席巻する分断の歴史的時間を可視化する作品群は、観るものに多くの問いを突きつける。
今回のシアターコモンズでは、藤井がギリシャで撮影・発表した新作を日本初公開する。藤井のカメラは、アテネ近郊の港、ピレウス港の時計台とそこに暮らす人々に向けられる。そこは、経済危機に瀕し、シリアやアフリカからの難民が押し寄せる欧州の最前線でもある。映画「日曜はダメよ」の主題歌「ピレウスの子供たち」のメロディ。しかし現在、その時計の針は正確な時を刻むことができない。ときに加速し、ときに遅延し、過去と現在が複雑に絡みあうピレウスの時間——。そこに生きる人々の物語は、私たちにどんなヨーロッパの「異なる時間(ヘテロクロニア)」を体感させるのだろうか。

*本作品は、2017年ギリシャ・アテネで開催されたファスト・フォーワード・フェスティバル 4にて、高山明による観客参加型の演劇作品「ピレウス/ヘテロトピア」に呼応して同時に制作・公開されたものである。

プロフィール

藤井光(ふじい・ひかる)
1976年生まれ。芸術は社会と歴史と密接に関わりを持って生成されているという考え方のもと、既存の制度や枠組みに対する問いを、綿密なリサーチやフィールドワークを通じて実証的に検証し、実在する空間や同時代の社会問題に応答する作品を映像インスタレーションとして制作している。最近は日本の近代に国内やアジアで構築された教育および社会制度や、博物館や美術館のあり方について問う作品を継続的に発表している。

  • 日時
  • *来日を予定しておりましたブシュラ・ハリーリ氏が、本人のやむを得ない事情により来日できないこととなりました。
    これを受けましてトークのゲストを一部変更しております。ご了承ください。

    ①「ピレウス/ヘテロクロニア」(75分)
    ②ブシュラ・ハリーリ「テンペスト・ソサエティ」(59分)
  • 2月22日(木)

    ①18:00 ②19:30 +藤井光×長谷川新(インディペンデント・キュレーター)
  • 2月23日(金)

    ①15:00 ②16:30
  • 2月24日(土)

    ①14:00 ②15:30
  • 2月25日(日)

    ①18:00 ②19:30 +高山明×林立騎(翻訳者・演劇研究者)
  • 上演言語
  • ギリシャ語・アラビア語(日本語、英語字幕つき)
  • クレジット
  • 製作|オナシス文化センター(アテネ)
  • 協力|高山明/Port B
  • 東京上映会共催|ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター
  • 助成|アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、公益財団法人セゾン文化財団