ラビア・ムルエ[レバノン/ドイツ]
「歓喜の歌」

Rabih Mroué [Lebanon/Germany]

“ODE TO JOY”

レクチャーパフォーマンス

©Judith Buss
メディアが作る歴史とイメージを攪拌せよ。
ポスト・トゥルースの時代を射抜く、レクチャーパフォーマンス。

1972年のミュンヘン・オリンピックは、イスラエル選手11名がパレスチナの過激派組織「黒い9月」の人質となったテロ事件によって、血塗られた大会となった。アラブ世界を代表するアーティスト、ラビア・ムルエは、パレスチナ人政治ジャーナリスト、マナル・カデールとともに、この事件をパレスチナ闘争の側から描く演劇作品を創作。2015年ミュンヘン・カンマーシュピーレで初演し、世界中で大きな反響を呼んだ。今回のシアターコモンズでは、オリンピックを控えた東京のために、特別にレクチャーパフォーマンスとして再構成して上演する。
ムルエとマナル・カデールは、1972年のオリンピックでのテロ事件という大きな物語とその詳細な事実に焦点を当てていく。そして、マスメディアにより操作・生成されるイメージや言説を辿りながら、むしろそこには現れない余白や歴史の空白にこそ、記述され再現される過去、挫折が繰り返される現在、あり得たかもしれない未来を見いだそうとする。複数の時間、複数のナラティブを巧みに交錯させ、固定化された歴史を攪拌することで、わたしたちはいかに「真実」に接近することができるだろうか。

プロフィール

ラビア・ムルエ
1967年レバノン出身、ベルリン在住の俳優、演出家、脚本家。今日の中東アラブ世界の混迷と希望をもっともラディカルに表象するアーティストの一人。身体、映像など多様なメディアを用いて虚構と現実の境界を揺さぶりながら今日的な問いを浮かび上がらせる。2010年、スポルディング・グレイ賞受賞。2011年、プリンス・クラウス賞受賞。2015年よりミュンヘン・カンマーシュピーレのレジデント・アーティスト。日本では2004年および2007年東京国際芸術祭(TIF)、F/T13等での招聘で公演を重ねている。

日時

3月12日(火) 19:00
3月13日(水) 19:00

上演時間

約65分

会場

リーブラホール
〒105-0023 港区芝浦1-16-1 みなとパーク芝浦 1F

参加方法

要予約・コモンズパス提示
パス購入はこちら

上演言語

アラビア語・英語(日本字幕つき)

クレジット

構成・テキスト・出演|ラビア・ムルエ
製作|ミュンヘン・カンマーシュピーレ
字幕翻訳|藤原敏史 
字幕監修|戸田史子(芸術公社)
会場協力|港区
助成|オランダ王国大使館