レポート

オープンセミナー|第3回

2017.8.31

8/28に、港区・SHIBAURA HOUSEにてオープンセミナーの第3回目が行われました。

「創作における法的課題のケーススタディ」と題した今回のセミナーでは、弁護士であり芸術公社監事でもある須田洋平氏が講師を担当しました。
セミナー前半では、ここ数年のアートに対する表現規制をめぐる状況をふまえ、芸術と表現の自由、そしてその限界に焦点を置いたレクチャーが行われました。何故表現の自由が重要なのか、それが立憲主義や民主主義とどのように関連しているのかを具体的に説明した後、人権の衝突を防ぐために表現の自由が制限されてしまう可能性についても述べられました。

セミナーの後半は、「表現の限界についての研究」と題された三つのケーススタディにグループごとに取り組み、参加者全員が多種多様な表現の限界について答えを見つけるべく、多角的で活発な議論が行われました。各グループの発表ではその限界の曖昧さ、制限されることによるアーティストたちの自己規制の危険性などが提示され、それぞれに講師からフィードバックが行われました。

最後に総括として、講師を務めた須田氏から「ある思想を世の中に問う優れた手段である芸術を一人でも多くの人に届けるために、表現の制限に関する難しい判断を迫られることもあるかもしれないが、いかにこの先皆さんがそれを守っていくかが重要になっていく」とのコメントがありました。参加者も議論やレクチャーを通して、表現の自由や限界と向き合うことの大切さを実感し、これからの活動の参考にすることが出来たようです。

(芸術公社インターン・芝田遥)

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