レポート

夏期集中ラボ 中間発表2日目|盛岡

2017.8.17

夏期集中ラボ、中間発表の2日目は3つのチームに分かれ、講師を交えたグループディスカッションで思考を深めていきます。

2日目の午前中は盛岡の中心部にある、東北の作家に焦点を当てた企画展を行うギャラリー「Cyg Art Gallery」を訪問。講師として参加している瀬尾さん小森さんの展示も行った場所です。オーナーの清水さんから、ギャラリー開設の経緯、東北への思いやそれをアートと通して発見・伝えていくことの意義をお聞きしました。
この時は、企画展「ART BOOK TERMINAL TOHOKU」が開催中。東北ゆかりの作者による「本や冊子の形式を使用した表現」または「表現を本や冊子の形式にしたもの」を対象とした作品を公募、出品してもらう展覧会です。受講生たちも長い時間とどまって、展示を観たり、清水さんにお話をお聞きしたりしていました。

1日目の講評を受け、それぞれが今後の深め方や、現状のプランを一から考え直すことも含めて、議論していきました。ディスカッションでは、キーワードやアイデアが抽象的なままでは作品や企画にならない、をどう具体化していくかといったアドバイス、それとは逆に具体的なモチーフやリサーチ対象がつかんだところからどう自分のプランにブラッシュアップしていくか、といった両極の意見が出ました。講師たちは、自分たちのキャリアや具体的な経験を踏まえたアウトプットへのプロセスや、そもそもの動機やモチベーションに立ち返ることの重要性など、さまざまな側面から指南していました。
同じグループの受講生同士でも意見を交わし、約3時間のグループディスカッションが終了。

その後は、中間発表の2日間を受けての考えやプランを発表、1週間後の最終発表に向けてどう進めていくかを話し合いました。
最後の講評では、「このようにアイデアを共有し、あるときは交換しながら進めていくことが新鮮だった。創作のプロセスを共有することの意義を感じた」(砂連尾さん)、「徹底的に皆さんと対話していくなかで、自分自身がなぜアートに関わる仕事をしているのかを振り返る機会にもなった」(服部さん)、「問を深める作業を共有することで、他者の考え方が自分の中に入って来たり影響を受けたりすること自体が面白い。その貪欲さを糧に、最終発表まで進めてもらいたい」(相馬)、「アートにはユーモアも大切。東北、被災地と聞くとシリアスに構えてしまうところもあるかもしれないけど、固定観念から離れて、ユーモアも忘れずに取り組んでもらいたい」(瀬尾さん)といった意見がありました。

合宿、中間発表を経て、受講生たちのコミュニケーションもぐっと深まりました。このような共有のプロセスによって、最終発表にどのようなプランが飛び出すのでしょうか。
次回の最終発表は1週間後。26日、27日には公開プレゼンテーションを行い、地域の方々にも聴講いただきます。

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