島崇/パブロ・ピカソ
『しっぽをつかまれた欲望』

Takashi Shima / Pablo Picasso

“Desire Caught by the Tail”

リーディング

慶應義塾大学 旧ノグチ・ルーム photo: 新良太
ピカソのタッチを真似て、絵を描くように声に出してみる。
「私たちの欲望」がシュールに暴走する、レジスタンスの演劇。

ピカソが戯曲『しっぽをつかまれた欲望』を執筆したのは、《ゲルニカ》を描き終えた4年後の1941年、ナチス・ドイツ占領下のパリ。その言葉はまるで彼の絵画のように抽象的かつ詩的なイメージに溢れ、「タルト」や「大足」といったコミカルで隠喩的な登場人物たちが、荒唐無稽な会話と行為を繰り広げる。初演は占領が続く1944年の春、ミシェル・レリスのアパルトマンの一室にて、リーディング形式で密やかに行われた。そこにはレジスタンスに身を投じる文化人たちが一堂に会し、役者としてサルトルやボーヴォワールらが登場、演出をカミュが務めたという。
マレビトの会を中心に活動する演出家・劇作家の島崇は今回、ピカソの言葉を80年後の東京に移植する。「ピカソが書いたのは政権を批判する者でも、悲惨に暮らす人々でもない。そこに暮らす人間の欲望である。私たちの欲望のしっぽは未だ何者かにつかまれたままである。そんな気がしてならない。もしくは自分自身で誰かに差し出しているのかもしれない。私たちにとってのレジスタンスとは何なのだろう。この息苦しさや不自由さの正体がわからないのだ。(演出ノートより)」ピカソのタッチを真似て、その爆発的なイメージをなぞるように声に出してみた時、「私たちの欲望」はどのように宙を舞い、どこに着地するのだろうか。

リーディング・パフォーマンス

2019年の東京で、声に出して戯曲を読む。
東京の日常に媚薬を垂らし、波紋を広げる。リーディング・パフォーマンス始動。

声に出して戯曲を読む。演劇にとって最もシンプルな営みは、俳優だけではなく、あらゆる人に開かれている。だが、実際に一つの戯曲を最初から最後まで声に出して読んだ経験がある人は意外と少ないものだ。それでは今、オリンピックを控えた東京で、自分が声に出して読むとしたら、どこで、どんな言葉だろうか?
リーディング・パフォーマンスと題する本企画は、この問いを投げかけられた3人の演出家が提案する戯曲を、ある場所で、複数の参加者が初見で音読するというものだ。特別な準備や練習もない、ただ、戯曲に書かれた言葉を、たまたま居合わせた他の参加者とともに、声に出して読む。過去に書かれた言葉は、2019年の東京に生きるあなた自身の身体を経由し、「いま、ここ」にどのような変容をもたらすのか。3人の演出家が仕掛けるささやかな音読の時間と空間は、都市・東京の日常に、媚薬のように波紋を広げることになるだろう。

プロフィール

島崇(しま・たかし)
秋田県出身。京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科卒業後、演出家・劇作家・俳優として活動。2009年よりマレビトの会に俳優として参加。以後継続して参加を続けている。2017、2018年にフェスティバル/トーキョーで上演されたマレビトの会「福島を上演する」では劇作も務める。2014年より出身地である秋田県内において「私の病める舞姫プロジェクト」を展開中。

パブロ・ピカソ
1881年スペイン、マラガ生まれ、1974年逝去。フランスでの制作活動を通し、20世紀に最も影響を与えたアーティストの一人。キュビズム・ムーブメントの創立者であり、油絵、素描、版画、挿絵、彫刻、陶器などの多岐に渡る美術作品の他にも、舞台デザイナー、詩人、そして劇作家としても活動をしていた。スペイン市民戦争の光景を描いた代表作《ゲルニカ》(1937年)は、世界で最も有名な反戦芸術の一つである。

日時

3月1日(金) 19:00
3月7日(木) 19:00
3月9日(土) 17:00

上演時間

約120分

注意事項

各回定員約20名
(お申込いただいた皆様に音読の一部を担っていただきます)

会場

慶應義塾大学三田キャンパス
旧ノグチ・ルーム

〒108-8345 港区三田2-15-45
会場お問合せ│03-5427-1621

参加方法

要予約・コモンズパス提示
パス購入はこちら

上演言語

日本語

クレジット

構成・演出|島崇
作|パブロ・ピカソ
会場協力|慶應義塾大学アート・センター 他

関連イベント

リーディング・パフォーマンス参加アーティスト3名によるポスト・トーク
日時:3月10日(日)14:00の回終了後 
会場:慶應義塾大学三田キャンパス 旧ノグチ・ルーム
定員:50名程度 
参加方法:予約不要・先着順 コモンズパス提示