概要

社会芸術の実験場
シアターコモンズ・ラボ

昨年度から始動したシアターコモンズ・ラボ。1年間で100名を超える受講者、25名を超える講師にご参加いただき、それぞれが持ち寄る問いを相互に交換しながら、それを創作や実生活に応用する形を探っていきました。

シアターコモンズ・ラボを一言で言い表すならば、「社会芸術の実験場」ということになります。さしあたり「社会芸術」を、社会に対してなんらかのコミットを行う、そのような意図が意識された「芸術の社会実践」、とするならば、その実験室は、作品やプロジェクトとなる前段階のあれこれ、たとえば、世界との向き合い方、発想のプロセス、観客との関係の作り方、歴史における自らの捉え方・・・そういった「作品以前」「プロジェククト未満」の部分を、じっくりと試行錯誤する場、時間ということになります。

またシアターコモンズ・ラボは、すでに存在する「シアターコモンズ」の姉妹編、のような位置付けにもあります。シアターコモンズが一般観客にも公開する前提で行われるパフォーマンスやワークショップを中心とする、広義の「劇場」であるのに対し、シアターコモンズ・ラボは、その前の段階、つまり一般観客への公開を前提とせずにあれこれ試行錯誤する「実験場」という位置付けです。

この「実験場」としてのシアターコモンズ・ラボでは、アーティストやそれを目指す人たちだけではなく、自らの問いや専門性を持ち、芸術的な想像力をもって社会にコミットしようとするすべての人を歓迎します。既存のジャンルや表現メディアの固定概念にとらわれず、社会に対する問いを発する力を鍛え、それを芸術的な発想力、想像力を持って社会の中で応用する。この芸術表現と社会の間の循環の回路こそが、私たちが生きる世界をより豊かに、より多様に再編成していく力になるのではないでしょうか。

芸術的な発想力を社会に応用し、芸術と社会の関係性を更新するような実践の形を「社会芸術」と名指しながら、本年度も参加者の皆様とともに試行錯誤をしていきたいと思います。

ぜひ皆様のご参加をお待ちしています。

2018.5
シアターコモンズ・ラボ ディレクター
相馬千秋

シアターコモンズ・ラボ
4つのポイント

演劇の「知」を活用したラボ(実験場)

シアターコモンズ・ラボは、古来から演劇が蓄えてきた「知」を活用したワークショップ形式のラボで構成されています。演劇・舞台芸術の理論や方法論をベースとしながらも、それを拡張する同時代表現全般、さらには実社会へと応用することを目的としています。

第一線で活躍するアーティストらがワークショップの手法・内容を考案

各ラボのディレクターを務めるのは、第一線で活躍するアーティストやプロデューサー、研究者たち。彼らが、各ラボの手法と内容を考案・デザインします。またラボ期間中も、参加者がそれぞれの問いや専門性をもって創造的にコミットし、ワークショップ成果を相互に還元し合える形を参加者とともに探ります。

参加者は広義の「表現者」 ジャンルや表現メディア不問

シアターコモンズ・ラボの対象者は、広い意味での「表現者」です。そこにはアーティストのみならず、ドラマトゥルク、キュレーター、プロデューサー、ジャーナリスト、編集者、研究者、俳優、さらには観客も含まれます。また、表現のメディアやジャンルも固定しません。つまり、自らの問いをもって、専門性を創造的にアップデートしようとするすべての人に開かれています。

参加者のニーズによって、単発でも複数でも受講可

2018年度のシアターコモンズ・ラボは6ヶ月の開講期間中、3種類のラボ(複数回にわたるワークショップ)で構成されています。受講にあたっては、一つのラボのみの参加もOKですし、全参加も可能です。参加者のニーズや予定に合わせて参加するプログラムを参加者自身が組み立てられます。

また、参加者の募集時期も年に複数回ありますので、一度応募チャンスを逃してもまたトライすることができます。

  • シアターコモンズ・ラボ
  • 主催:特定非営利活動法人芸術公社
  • 事務局
  • ディレクション:相馬千秋+藤井さゆり(芸術公社)
  • 制作統括:藤井さゆり(芸術公社)
  • 広報・記録編集:柴原聡子
  • アートディレクション:加藤賢策(ラボラトリーズ)